ブラジル・ワールトカップの開幕も間近ということでサッカー、日本代表ではなくJ2に所属するロアッソ熊本の話題を一つ。
今回のブラジル・ワールドカップで5回目連続の出場。そんな順風満帆な日本サッカーですが、現在Jリーグに加盟している全52チーム(J1・J2・J3併せて)もその勢いに乗って好調なチーム運営を行っているか、というと・・・
〈引用サイト〉熊本日日新聞、5月16日の記事から。
J2ロアッソ熊本を運営するアスリートクラブ(AC)熊本は16日、熊本市の下通アーケードでチーム存続に向けた街頭募金を行った。選手17人も加わり「チームが存続できるようご協力ください」と声をからし、市民に支援を求めた。
http://kumanichi.com/news/local/main/20140516006.xhtml
Jリーグの加盟規定によると、チームは独立した運営組織を有する法人として、健全な財政状態の維持に務めなければならないとされています。ではその財政を支えるチームの収入源の一番は広告料収入だそうで、次にスタジアムの入場料収入、そしてオフィシャルグッズ販売やファンクラブ収入などがあとに続きます。収入はJ1 の人気チーム、強豪チームになればなるほど増大し、J2・J3と下位にいくほど減少する傾向にあります。中には熊本市を本拠地とするロアッソ熊本のように存続が危ぶまれるチームも少なくなさそう。
ロアッソ熊本のホームページによると、今回の街頭募金で集まった額は235,774円。他にホームスタジアムやオフィシャルショップでも募金活動が行われ、その総額は5月21日現在7,578,358円になります。これでもまだ引用記事にある今期決算で求められている6,100万円をクリアするには程遠い状況。
ロアッソ熊本では今後も街頭募金などを続けていく予定だといいます。それを元にチーム強化を図り、今後J1昇格、さらに優勝を狙える強豪チームに成長すれば自ずとファンも収益も増えることでしょう。オフィシャルグッズの販売や試合の放映権料も伸び、さらに新しいスポンサーを獲得すれば潤沢な資金を背景により健全なチーム運営にあたることができます。反面、チームが全国区の人気チームになることで、それまで身近だった選手とファンの距離がだんだん遠くなり、街頭で気軽に声を掛け合えるような触れ合いも薄くなるかもしれません。ファンもチームが強くなることを願いつつ、でもいつまでも自分たちの手が届くところにいてほしいと願っているのではないでしょうか。
さて、6月14日にワールドカップ初戦を迎える日本代表。対戦相手コートジボワールを破って波に乗り、その勢いで優勝まで一気に登りつめてほしいものです。選手自ら街頭に立って募金をお願いする地道な活動が実を結び、いつの日かロアッソ熊本からワールドカップに出場する日本代表選手が出てくるかもしれません。がんばれ!ロアッソ熊本!